1970年代、1980年代、アメリカやソビエトが宇宙へのチャレンジを始めたこの時代は機械式時計を中心としたスイスの時計産業にとってハードな時期であった。日本のセイコー、シチズンなどがクォーツ時計の機械を発明し日本や香港を生産地とした。より正確、より安い腕時計が世界中に出回り、多くのスイスの小規模工房が廃業に追いやられたのだった。

既に時計業界の仕事に従事していたFELIX HUBERR氏は1960年代からCATENAやFEROのデザイナーとしても活躍する一方、自分のプライベート・ブランドを立ち上げるべく"FHB"ブランドを登録、たくさんのデザイン画を準備し、来るデビューに備えていたのだった。 クォーツ時計の出現によって業界がダメージを受けたこの時期、FHBをデビューさせる時期としては適切ではないと判断したHUBER氏はデザイン画を封印、倉庫に保管。そしてそのままそれらは40年もの間忘れられていたのだった。

1995年 HUBER氏は、ZENO-WATCHの新しいシリーズをバーゼルフェアで発表し、突然世界の注目を浴びた。機械式の時計ブームがやってきた今の時期、スイスにはもはやZENO社のような個人経営の工房は殆どない。突然の大成功による社屋の規模拡大の為、倉庫の整理をしていたHUBER氏は40年前の宇宙事業に湧く時代に自分がデザインしたデザイン画を倉庫の片隅に発見したのだった。機械式の時計としてデザインされたこれらはHUBER氏によりクォーツ時計として今、ここに登場した。時計の文字盤には当時彼によってデザイン画の下に書かれたデザインコードが記されている。
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